2010年にアナハイム大学が黒澤明監督生誕100周年を記念して製作したビデオ映像、 “Akira Kurosawa 100th Anniversary Memorial Tribune” (YouTubeよりご覧いただけます)より、俳優・リチャード・ギア氏の黒澤明監督についてのコメントを抜粋・翻訳してご紹介いたします。
黒澤明監督は、20世紀最高のアーティストのひとりでした。多方面に影響力を持っていました。日本だけに留まらず、映画界全体に影響をもたらしました。監督は映画の中で、自分自身の生き方を表現していました。私には、両者の間に違いはないように見えました。監督は本当に、自身のすべての作品の主人公でした。
そして、日本人の階級意識はほとんどの黒澤作品に見られ、それら作品を作ったものだと言えるでしょう。監督自身の人生の一部でもありました。
黒澤監督に会った時のことを覚えていますが、私は監督に対し、バスケットボールの選手のような印象を持ちました。ウィルト・チェンバレンのようでした。本当に背が高かった。それから何年も後に私の友人がその時の写真を送ってくれたのですが、私は監督をそこまで見上げるほどではなかったんです。私と監督は同じくらいの身長でした。でも、ものすごく大きく感じました。それこそが監督の類まれな才能からくるパワーでした。
私たちは自分たちより前の世代の、偉大なアーティストとされている、本当に優れた人たちから影響を受けます。そして、作品の中に流れている、心に響いてくるものに自分の心を重ねます。黒澤作品に流れているものは、いつも私の心に深く響いてきます。
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【関連リンク】
黒澤明監督生誕100周年記念追悼コメント(オリバー・ストーン監督)(2010年)